大和ミュージアム
先週末、戦艦「大和」が建造された港町、呉市にオープンしたばかりの呉市海事歴史科学館『大和ミュージアム』 を覗いてきました。
きまぐれ広島ニュース > 呉市海事歴史科学館『大和ミュージアム』オープン!!(2005年4月24日)
まずは、純粋に技術屋としての感想など・・・
このミュージアム・・ 目玉は何と言っても、2億円以上をかけて作られたという戦艦「大和」の1/10精密模型。館内中央に据えられている全長約26メートル・幅約4メートルの戦艦「大和」には圧倒されてしまいました。ほんと、凄い の一言ですね。よくもまあこんな物をを作ったものだと感心させられます。ましてや、戦時にこの模型の10倍のスケールの戦艦「大和」が呉で建造されたというのは、更に驚嘆に値する事実です。おそらく、当時の国内技術の粋を結集し、国の威信をかけて「大和」建造にあたったのでしょう・・。大和ミュージアムの展示を見て、戦争目的とは言え、物作りの熱意と執念と誇りのようなものを感じさせてくれました。この「大和」建造に利用された当時の先進技術や工程管理手法は、現在の種々の分野の製造業においても大いに生かされているのだそうです。
とは言うものの・・・
戦争の為に作られた戦艦「大和」を美化するとは けしからん!! といった声もどこからか聞こえてきそうな気もしますね!? おおよそ1年前、この雑記帳で少しだけ書いたのですが、「大和」の模型の取り扱いについて多少違和感を覚えた記憶があります。
> 広島から…(2004.02.15)
実際、2億円以上の費用をかけてこれほどの模型を作る必要があったのかどうか?? 大和ミュージアムを見学した子供達はどんな風に見ているのか?? 戦争に利用された技術自体には罪はなく、それを利用する人間に罪があるという理屈は分かるのですが、子供達にそんなことがすんなりと理解できるのかどうか・・??
技術の進歩というのは、往々にして戦争との関係が深いものです。特に、航空機や船舶の進歩は、戦時の開発を抜きにしては語れないものだと思います。被爆電車などが取り上げられて、どちらかと言えば平和的なイメージが強い広島の路面電車でさえも、戦時輸送に備えることを目的とした路線拡張を経て現在の広島市内の路線となっているそうですから・・。そして、日々それらの技術の恩恵を受けている訳ですから、一概に戦艦「大和」はダメだ!! などと頭ごなしに否定するつもりはありませんが・・・・。
やや贔屓目かもしれませんが、大和ミュージアムでは、「呉の歴史」 や 「大和」建造技術の凄さのようなものを工夫して展示されていると感じました。しかしながら、戦争がいかに愚かな行為であったかという点に関しては、今一つ不足していたような気もします。国際平和都市「広島」の精神と矛盾しないような工夫と配慮をもう少しだけ期待したいとも思うのですが如何でしょうか?? つい最近の中国における反日デモのような報道を目にしていればなおさら・・。
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コメント
こんにちは。またおじゃまします。
『大和ミュージアム』、ずいぶん話題になってますね。あの模型は2億円もかかってるんですか!本当に財政難なんですかね。(笑)
技術的には素晴らしいものなのでしょうけど、おっしゃるとおり、単純に感嘆できるものでもないですね。子どもたちは、「凄ぇ!かっこいい!」とばかり思うでしょうし。砲口のひとつひとつが何のためのものなのか、そのあたりまで掘り下げて欲しいという気もします。
路面電車の拡張にもそのような裏話があったんですか…。広島人として育っていながら、知らないことが多いことを痛感します。
私もそのうちミュージアムの見学に行きたいと思っています。ではまた。。
投稿: もりたカイロ | 2005.04.27 10:16
こんにちは、はじめまして。私も今日大和ミュージアムへ行ってきました。
おっしゃる通り、戦争がいかに愚かな行為であったかという点に関してはやや説明不足な気がしました。もっとも、好奇心の強い子供は、自分で色々考えるいい機会にはなるのでしょうね。
いろいろ国際情勢も複雑な時期ですし、今後の推移を見守りたいと思います。
投稿: dai1975 | 2005.04.27 22:21
> もりたカイロさん こんばんは!
新聞記事によると、精密模型は約2億1千万円かけて造られたそうです。
路面電車については、全ての路線という訳ではありませんが・・・ 江波線・比治山線は、それぞれ三菱重工と宇品港への工員・兵員輸送を目的として昭和19年に拡張された路線だそうです。ちなみに、これらの路線は、物資不足の為、宮島線の片側のレールを一時撤去して敷設されたとか・・ (広電発行の古い書籍より)
> dai1975さん こんばんは!
トラックバック&コメントありがとうございます。
そうですね。確かに小さい子供達にとっては、まず戦争の事を知って、考える良いきっかけになるかもしれませんね。そんな意味で子供達にも是非見せてやりたいと思います。
投稿: T.Kaze | 2005.04.27 23:01
戦争は、国家の政治活動や表現の延長にすぎず、悪ではありません。
子供たちには、他国に媚びを売ることの愚かさと、大東亜戦争は愚かな戦争ではなかったということと、命よりも尊い「正義」ののために命を捨てる必要があることを教える必要があります。
投稿: 彩雲 | 2008.06.14 16:49
> 彩雲さん
そうでしょうか?私は全くそうは思いませんが・・。
過去の戦争の背景・事実等を子供達に伝えることは、必要で大切なことだと思います。しかしながら、「戦争は悪ではない」 とか 「大東亜戦争は愚かな戦争ではなかった」 などと、大人が子供達に対して押しつけるのは絶対に間違っていると思います。ましてや、『命よりも尊い「正義」ののために命を捨てる必要がある』なんて・・。
投稿: T.Kaze | 2008.06.15 13:04
広島の原爆資料館は、日教組によって修学旅行でのマインドコントロール場に指定されています。原爆の悲惨さを純粋に伝えるべき施設は今や「不当な反日思想押し付け」の場に変わっています。原爆資料館は、新理事長リーバー(アメリカ人)の方針で、「日本への原爆投下を肯定するアジアの声」をうけて展示内容変更を検討中です。さらにリーパーは、展示内容を作る委員にシナと朝鮮半島の馬の骨を採用すると公言。これは思想毒を撒き散らす不当な反日展示をする布石ですよ。原爆被害をも反日に活用したい国や人物が多いのです。
毒は毒をもって制するしか方法はありません。「命が一番大事だから侵略されても降参すべき」「太平洋戦争は悪」と教える彼らが子供たちに思想毒を注入することには、「命より大事なものがある」「大東亜戦争は自衛戦争」と教えて対処して中和するしかないのです。
投稿: 彩雲 | 2008.07.04 20:59
> 彩雲さん
(財)広島平和文化センターの新理事長リーパー氏の意見として中国新聞に掲載された記事の件ですね・・ 恥ずかしながら、今回検索してその内容を初めて知りました。その新聞記事に対する釈明のページを見つけましたので、一応URLを貼っておきます・・
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/images/riji.html
広島平和記念資料館の運営に米国人が関わる(それも理事長として)というのは正直違和感をおぼえました。ただ、核兵器廃絶の願いは広島在住者、或いは日本人だけのものでは無く、国籍を越えた人類共通の願いでもある訳で、米国人が広島平和文化センターの理事長になったからといって、必ずしも危機感を抱くようなことではないように思います。
「不当な反日展示」とか、後半の部分は、やや飛躍しすぎ/考え過ぎではないでしょうか? それこそ、不当なマインドコントロールになってしまいそうです。
投稿: T.Kaze | 2008.07.05 00:19