ご苦労様・・ 被爆電車654号
ついに被爆電車654号が現役営業運行最終日・・ ダイヤ改定を明日26日に控えて、広島市内を走る654号は本日6月25日で見納めとなりました。
朝から被爆電車の引退を惜しむかのような冷たい雨が降る中、最後の勇姿を見送るつもりで、広電西広島(己斐)へ出掛けてきました。最終日の今日、654号は 3号線(広電西広島~紙屋町西~広島港) にて運行、「ありがとう 654号」 のヘッドマークが取り付けられているのを確認しました。ちなみに、午前11時過ぎに広電西広島(己斐) へ到着した654号には、女性運転士さんが乗務されていました。
広電654号は昭和17(1942)年に製造、昭和20(1945)年 8月6日に江波付近で被爆し大破、その後修理復旧されて今日まで実に戦後60年以上も現役運行されてきた車輌です。かつて戦時中には、広島電鉄家政女学校に通っていた14~17歳の少女が大半のチンチン電車の運転士・車掌として乗務していたということです。そんなことも意識して、本日最終日を迎えた654号に女性運転士さんが乗務されていたのかどうかは定かではありませんが、何となく広電さんの粋な計らいを感じてしまいました。通常であれば、路面電車の旧式車輌は、人知れずひっそりと廃車・解体されてしまうことがほとんどなのですが、さすがに「歴史の生き証人」とも呼ばれた被爆電車・・ 異例のサヨナラ運行となりました。被爆電車654号・・ 長い間、ご苦労様でした!!
本日の運転をもって引退していく被爆電車654号は、広島市交通科学館にて常設展示されることになっています。その際には、是非ともまた654号に会いに出掛けて、この雑記帳ブログにて紹介したいと思っています・・。
**追記: 本日、被爆電車653号も現役運行の最終日を迎えました。車にて移動中、回送の幕を出して横川~十日市あたりで運転されているのを目にしました。よくは分かりませんが、横川駅にて撮影か何かをやっていて、人だかりができていたようです。
こちら653号は休車扱いとなり、おそらくは江波車庫にて別形式の被爆電車156号と一緒に保管されるものと思われます。イベント時に運転されるという報道がありましたので、いつかまた運転されている姿を見ることもできるものと期待しています・・。
**過去の被爆電車650形の関連記事・・
> 被爆電車654号・・ 交通科学館へ -2006.06.21
> 被爆電車654号・・・ -2006.05.24
> 被爆電車の引退・・・ -2006.02.22
> 被爆電車2両引退!! -2006.02.19
> 被爆電車と原爆ドーム -2005.08.06
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コメント
はじめましてハッスルカーンと申します。
先日も比治山線で修学旅行の小学生を貸切で
600系が走行していました。
この電車が走っていること自体が被爆体験なんだと、
強く思います。
私自身被爆2世と呼ばれる事がピンと来ないくらい
広島では原爆体験とは日常的な事柄ですが、
全国的に秋葉市長の外国親善より
もっとクローズアップして欲しい広島の日常ですね。
投稿: ハッスルカーン | 2006.07.02 22:38
ハッスルカーンさん はじめまして。
> この電車が走っていること自体が被爆体験
確かに・・ 被爆電車は、現役で走っているからこそ価値があり、大きな意味があるのだと思います。そんな電車も一両、また一両と引退していくのは仕方のないこととは言え、非常に残念です。戦後60年を過ぎ、被爆の記憶がどんどん薄れていけばなおさらです。
> もっとクローズアップして欲しい広島の日常ですね。
まったく、おっしゃる通りだと思います!
投稿: T.Kaze | 2006.07.04 00:14