十二神祇神楽
この秋、私は広島市内で神楽を 3回見る機会がありました。(3回見たと言っても、演目全てを通して見たわけではありませんけど) その内二つは、このブログ雑記帳で既に紹介した 「ソレイユ秋祭り」 と 「白神社 秋季例大祭」 で執り行われた奉納神楽です。
残る一つは、地元の神社の秋祭り前夜祭で執り行われた奉納余興神楽です。いわゆる旧舞・・ 古くから広島市内に伝わる十二神祇神楽 (じゅうにじんぎかぐら) です。最近では、きらびやかな衣装を付けて、ある種のショーアップされたような派手な神楽に人気があるのかもしれませんけど、地元で古くから伝承されてきた十二神祇神楽もなかなか味があるものです。かがり火を炊いた神社の境内、夜遅くまで鳴り響く太鼓と笛の音・・ 地元の子供からお年寄りまで多くの人が集まり、神楽の舞に見入っていらっしゃいます。これが本来の奉納神楽の姿に近いものであり、それを地元で楽しまない手はないと思う次第です。
以下、ほとんど舞殿にかぶり付きに近い状態で撮った写真を掲載しています。神楽は、その演目のストーリー (由来する神話など) を把握した上で鑑賞すると、一段と味わい深いものになると思いますので、分かる範囲で概要もご紹介です。熱演されているのは、上矢口郷土芸能保存会 の皆様・・
・演目 『煤掃き (すすはき)』・・
猿田彦神 (さるたひこのかみ) の神話に由来した舞とされているらしい。棒をハタキのように使って、舞殿 (神楽を舞う場所) の隅から隅まで掃き清める舞。ここでは、露払い (つゆはらい) に続く 2番目の演目となっています。
・演目 『天岩戸 (あまのいわと)』・・
須佐之男命 (すさのおのみこと) の悪事に嘆き悲しみ、天の岩屋戸に引きこもった天照大御神 (あまてらすおおみかみ) を、八百万の神々が趣向を凝らして引き出したとする神話に由来する舞。天宇津女命 (あめのうずめのみこと) が天の岩屋戸の前で髪を振り乱し胸をさらけ出して踊る様に興味を引かれ、岩屋戸を少し開けて覗いた天照大御神を怪力の天手力男命 (たちかろうのみこと) が引き出したというもの。
・演目 『鯛釣り (たいつり)』・・
七福神の一神である恵比寿の舞。写真は、恵比寿 (鯛釣り) の釣り上げた鯛を面白おかしく取り押さえる悪戯者の鯛押さえ。
・演目 『世鬼 (せき)』・・
悪事をはたらく荒平 (あらひら) という羽根の生えた怪物と太夫の舞。太夫との問答の末に説き伏せられた荒平は、魔法の棒を取り上げられ、改心して天下泰平・五穀豊穣の舞を納める。最も豪華勇壮な舞であり、ここでは最終の演目となっています。
もしも機会がありましたら、広島市内・地元で古くから伝承されている十二神祇神楽を是非ともご鑑賞下さいませ!!
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