広島市民球場跡地利用について(1)
来月の完成に向けて急ピッチで建設が進められている新広島市民球場 (MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島: マツダスタジアム) をウォッチしていますと、ついついそちらにばかり目がいってしまい、現広島市民球場の跡地利用についての関心が薄くなってきそうです。でも、紙屋町界隈の商業エリアと平和記念公園に隣接する現球場跡地は非常に重要な場所であることは言うまでもないことで、その利用計画について大いに関心を寄せていらっしゃる方も多々いらっしゃるようです。
関連するニュース記事やブログ等を拝見していますと、1月末に提示された広島市の現球場 (広島市民球場) 跡地利用計画に対して異議を唱えられていたり、跡地利用について精力的に提案をされていたりするのが分かります。中には、感情的になって 「広島市の計画は全くダメだ」 といわんばかりに噛みついたような記載などもあったりして、何かしら殺伐とした印象さえ受けるものもあるように感じています。もう少し冷静になって考えてみたら、また違った見方ができるのではないかとも思うのですが・・。
ここ最近の動きとしては、現市民球場を改修利用した多目的サッカースタジアムの提案と署名活動がなされたり、市に見直しを求める地元協議会が発足したり・・ また、それらの動きを受けてか、秋葉市長が計画は見直さない考えを改めて示したとか・・。何か泥沼の議論に陥ってしまわないかと、少々心配になってきます。
そもそも、この現球場跡地利用については平成17年9月から検討が開始されているそうで、市民や民間事業者等からの提案募集に始まり、専門家による選考を経て、広島商工会議所の意見を取り入れ、更には一般市民からの意見を受けた上で、跡地利用計画が策定されています。なので、広島市サイドからすれば、それなりの手順を踏んだ結果として策定された跡地利用計画であり、今更見直しする必要はないという理屈でしょう。
実際、その利用計画を見てみると、一般から提案募集された中から専門家によって優秀案に選考された 2案を取り込み、広島商工会議所からの提案を取り込み、市民からの 「現球場を何らかの形で残してほしい」 という意見などを取り込んだ計画であり、究極の折衷案になっていることが分かります。決して秋葉市長が一人独断で作った計画でもなければ、何かしら悪意を持って広島市が策定したものではないことは確かでしょう。それらのことも踏まえ、市の財政事情なども考慮すると、概ね広島市が策定した計画で宜しいのではないかと思うんですけどね・・。
【一応、後半(2) に続く・・ 】
** 参考ページ
> 現球場跡地利用について (広島市) >> 現球場跡地利用計画(PDF)、他へ
> 提言・要望 (広島商工会議所) >> 現球場跡地利用策の提案(PDF)、他へ
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コメント
新球場関連の記事など、いつも拝見しております。
市民球場跡地ですが、私は逆に折衷案であるからこそ、反対です。
色々な案を取り込みすぎて、結局理念や目指す姿が何なのか、はっきり分からなくなってしまっているように思えます。
そもそも選考委員会が出した結果は、「最優秀案なし、優秀案は2案」ですから。
最優秀案が出なかった時点で、もう一度条件を緩和するなどしてコンペをやり直すべきだったと思います。
まぁ様々な意見があると思いますので、一つの意見ということで、書いてみました。
投稿: 安佐北区民 | 2009.02.15 17:58
> 安佐北区民さん
いつもありがとうございます!!
> 結局理念や目指す姿が何なのか、はっきり分からなくなってしまっているように思えます。
確かにご指摘の点はもっともだと思います。球場跡地において、ついつい集客メインで議論しがちになるのですが、本来は理念とか目指すべき姿を明確にしておくことは重要なんだろうと思います。
「折衷案」と言うと何やら後ろ向きでネガティブな感じがしますが、私は 2案+その他の提案の良いとこ取りをして、調整し一貫性を持たせてやるという風に捉えています。
投稿: T.Kaze | 2009.02.15 23:20