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2009.02.16

広島市民球場跡地利用について(2)

20090206_dome01

まずは、足場で取り囲まれて健全度調査の真っ最中の原爆ドームです。この調査では原爆ドームのひび割れや沈下量などの劣化具合が調べられるそうで、原則 3年毎に実施されています。今回の調査は、平成20年11月4日~平成21年3月31日の工期で行われることが現場に表示されていました。原爆ドーム左奥に見えている黒いビルが広島商工会議所、そして右奥には広島市民球場の照明塔が見えています。
1月末に広島市が策定した現球場 (広島市民球場) 跡地利用計画によれば、原爆死没者慰霊碑から原爆ドームを見通した時の軸線を意識し景観にも配慮するということで、黒い商工会議所ビルは移転を前提としています。また、広島市民球場の一部を残すことで球場メモリアル機能を持たせ、その他の大部分は照明塔も含めて解体される予定となっています。よって、こちら側から見た原爆ドームの背景も随分スッキリとしたものに変わっていくものと思われます。

さて、前置きはこれくらいにしておいて・・ 一応、昨日の記事(1) の続きです。
広島市の跡地利用計画に反対する意見として目に付くのが、「折り鶴展示施設なんか必要なのか!? それで賑わいが期待できるのか!?」 といったような指摘が大半を占めているようです。確かに、億単位の事業費をかけて、折り鶴展示施設を作ることに対しては私も疑問を持っています。(コスト面で折り合いが付けばの話ではありますが、出来ることなら折り鶴は一定期間展示保存した後、資源としてリサイクルするなどの活用した方がよっぽど良いのではないかと考えています。) ただ誤解してはいけないのは、跡地利用計画に盛り込まれているのは単なる展示のみを目的とした施設ではなく、「折り鶴展示機能を持つ折り鶴ホールの整備」 であるという点です。要するに、イベントを実施できるスペースを兼ねたホールであり、集客施設の一つとして捉えることができるのです。

また、「森や広場ばかり整備して、賑わいが期待できるのか!?」 という指摘もあるようですが、この点に関しては、跡地利用計画の中で 「概ね 1万人が集客可能な市民広場を整備」 することが盛り込まれており、各種の催し・イベントなどのソフト面の工夫でもってそれなりの賑わいや集客が可能になるのではないかという気がしています。
例えば、5月GWに開催される 『ひろしまフラワーフェスティバル』 では 3日間で延べ160万人以上の人出があります。また、11月に広島城周辺をメーン会場として開催される 『ひろしまフードフェスティバル』 は 2日間で約 80万人、更に 11月中旬から年明けにかけて開催されるライトアップ事業 『ひろしまドリミネーション』 は 48日間で約 30万人の人出です。
 > 2008ひろしまフラワーフェスティバル -2008.05.04
 > ひろしまフードフェスティバル2007 -2007.11.02
 > ドリミネーション 2007 (その3) -2007.12.23
その他にも広島国際アニメーションフェスティバルとか、古くから伝承されてきた広島の神楽とかネタになりそうなコンテンツは色々とありそうです。これら種々のイベントを球場跡地においても展開していくということは当然考えていく必要があるでしょうし、交通結節点である紙屋町に隣接しているという立地面における圧倒的な優位性で集客増の可能性は十分に期待できると思います。

更に言えば、これまで無かった各種の催し・イベントを企画して集客するという方法も考えられるのではないでしょうか!? 例えば、広島出身のアーティストを招待して屋外ライブを催すとか、近隣の商店街や民間企業が主催するイベントで自ら賑わいを創り出すという手もあると思います。球場跡地で開催する企画・イベントの提案を募って選考、優秀な案を実現させるといったようなこともできるかもしれません!?
要するに、広島市が準備してくれる大型の箱物や施設だけに期待し頼るのではなく、民間がソフト面で知恵を出し工夫をすることが、これから当然必要になってくるのではないかと思うのです。これは、現在の財政事情等を考慮すれば尚更です。こういった方法で集客しようとした場合、箱物施設で閉鎖されたスペースよりも、四方にオープンにされたスペースにしておく方が圧倒的に有利で好都合ではないかとさえ思うのです。

ちょっと別の例になりますが、紙屋町地下街シャレオの中央広場・・ 普段は何もないスペースですが、色々な催し・企画が頻繁に開催されています。CD・DVD販売、物産展等々・・ つい最近では時節柄、人気ブランドのチョコレートを揃えたバレンタインプラザ (そごう広島店主催) が開設されて結構賑わっていました。会社帰りなどに通りかかると、シャレオ内に常設された女性向け店舗などより、よっぽど中央広場で開催されているイベントの方が賑わっている場合もあるように見えます。私自身も、いつもは素通りするだけの地下通路シャレオなのですが、中央広場に人だかりができていると、ついつい気になって寄り道してしまいますから・・。このシャレオ中央広場のイベントはソフトによる賑わい作りの小さな一例であり、公共のオープンスペースをうまく活用している良い例ではないかと思います。

ダラダラと長くなってしまいましたけど・・ こんな風に考えていけば、球場跡地が絶好の立地であることも手伝って、それなりの集客が可能になるのではないかという気もしてくるのですが、如何でしょうか!?? もっとも、集客を主目的とすることが相応しいスペースなのか!? といった点も考えていく必要があるのかもしれませんけど!?

** 参考ページ
 > 現球場跡地利用について (広島市) >> 現球場跡地利用計画(PDF)、他へ
 > 提言・要望 (広島商工会議所) >> 現球場跡地利用策の提案(PDF)、他へ

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コメント

はじめまして!いつも綺麗な写真を見て楽しませていただいてます。

この度のテーマでもある市民球場跡地問題は私も非常に関心を持っておりコメントさせていただきたいと思います。
まず私は現状の計画に大反対です。
その理由は、誰からも愛されている市民球場を壊してまで折り鶴展示機能を持つ折り鶴ホールの整備をする必要があるのかということです。
ホールを作るならば厚生年金ホールやALSOKホールもあります。仮に何かに特化したホールを作るとしても現段階で全く具体案を示してない。一貫して主張しているのは「折り鶴」のみ。だから疑問を持たれているのだと思います。

また集客面についても問題です。確かにフードフェスタなどのイベントを開けば今でも人は集まります。しかし、周辺にある中央公園で行っても十分賑わいをみせており、果たして市民球場を壊してまで広場を作る必要があるのか疑問でなりません。
しかも、イベントといっても毎週毎月単位で大人数が集まるイベントを開くことはこれまでの例から言って難しいと思います。大イベントを開けば年間通じての目標人数に達するかもしれませんが、付近の商店などはあくまでコンスタントに人が集まるコンテンツを希望しています。
そもそも跡地移転時において年間150万人の集客施設を作ると明言した行政が、何かしらの大規模イベントを開けば人は集まると抽象的なことを根拠にして、具体的なアイデアも出さずにとりあえず何でもできる広場にしておくというのはあまりに無責任です。
そういった意味で跡地には市民球場と同等の集客力を持つ代替施設を作ることが要求されています。

ちなみにシャレオの場合は、真ん中の広場に人が集まるのは地上の横断歩道を無くしたために必然的に通らざるをえませんから、当然おもしろそうなイベントをやっていれば事前に知らなくても立ち寄ります。そのため、メウパルクの向こうにある市民球場の位置と同列に論じるのは少し無理があるように思われます。

これまで空港も広大も免許センターも、政治はもっともらしい理由をつけて自己都合で有効なコンテンツを移転させ、すべて失敗しました。迷惑被るのはいつも市民・県民。
広大跡地の惨状を見ればわかるように、広場にするといずれ寂れてしまいます。その上、夜になると街の中心という絶好な立地にあることも相まって治安も悪くなります。

50年も原爆ドームとともに歩んできた復興のシンボル。市民が納得しないような折鶴ホールや広場にするならば、歴史的建造物として原爆ドームとともに残す方が良いと考えます。

以上が私の持論です。長文失礼致しました。

投稿: 広島っ子 | 2009.02.17 00:15

> 広島っ子さん
いつも覗いていただき、そしてコメントいただきありがとうございますm(_ _)m
皆さん、様々な意見を持っていらっしゃるようで・・ 色々な意見を伺うことで、新たなことに気付いたりすることもあったりして参考になります。特にここで議論を戦わせるとかいった意味ではなくて、広島っ子さんのご意見にコメントさせていただきます。

◎現広島市民球場・・ 戦後復興のシンボル的存在であり、完全に取り壊してしまうことは私も大反対です。ただ、現在の場所にあのサイズでそのまま保存するには、ちと大きすぎると思っています。カープのゲームがある日は賑やかで気になりませんでしたが、それ以外の日は、考えようによっては単なる障壁になっているような気もします。しかも、老朽化した球場を維持保存するにはそれなりの費用も発生するようですから。
先日、別の記事に 『野球に興味のない私が(現)広島市民球場に入ったのは2回目でした』 というコメントをいただきました。野球好きの方にとっては 「誰からも愛されている市民球場」 と捉えられているかもしれませんが、実は野球にそれほど興味の無い方も多数いらっしゃるのです。もしかしたら、野球好きの方でさえ既に新球場の方にばかり目を向けられていて、現球場には無関心という方も結構いらっしゃるかもしれません!?

◎折り鶴ホール・・ あくまでもオープンなホールだと認識しています。それから立地を考えても、厚生年金やALSOKと同列には考え難いように思います。確かに現段階でイメージし難いというのはあるかもしれませんね。でも、多くの人が疑問視しているのはそのイメージよりも、むしろ 「折り鶴なんて一定期間捧げたらあとは単なる紙クズ、それを保存する施設なんて訳が分からん」 といったようなことではないかと懸念しています。私が言うまでもなく、「折り鶴」 には人の思い・祈り・願いが込められているはずです。そんな 「折り鶴」 を冠したホールというのは、それはそれで良いんじゃないでしょうか!? ま、私は折り鶴にこだわる訳ではなくて、例えばアオギリホールとかでも良いと思いますけど・・。
近隣商店街の言い分は 「自分の店の稼ぎが減るから賑わい施設を充実させろ」 と主張しているように感じられます。それから、熱烈なサッカーファンの中には 「もっと便利な場所で見たいからサッカースタジアムを作れ」 と考えている方もいらっしゃるのでしょう。それらの言い分は理解できますし、必ずしも否定するつもりはありません。ただ、そんな私利私欲を通したいがために、思いが込められた 「折り鶴」 を根拠もなく頭ごなしに否定し、計画を策定した広島市をバッシングするような風潮があったとしたなら、非常に虚しいことではないかと思っています。

◎イベント・・ 確かにイベントで集客できるとは言ってますけど、その中身について、もう少し広島市から 「例示」 があっても良いような気がしますね。ただ、「具体的なアイデア」 というのは広島市から出されるものなのでしょうか!? フラワーにしても、フードフェスにしてもそれぞれの実行委員会が主催者となっています。その実行委員会=広島市という訳ではないので、単独で 「具体的なアイデア」 を出すというのは無理があるように思いますけど・・??

◎シャレオ中央広場・・ ソフトによる賑わい作りの一例、そして公共のオープンスペースの活用という意味で例示しただけで、全く同列で論じるつもりはさらさらありません。でも、あの立地であれば、結構近いものがあるような気はしています。恐らくご存じだと思いますけど、バスは現市民球場をかすめるようにしてバスセンターに出入りしています。考えようによっては、非常に近いです。

投稿: T.Kaze | 2009.02.18 01:24

いきなりのコメントに丁寧にお答えいただきありがとうございました!
この問題は是非は別にして、今後の広島の将来に少なからず影響を及ぼすものだと思います。ですので市民や県民、また広島を愛する・関心をもたれる全国の方々とのオープンな議論によって、出来るだけ皆が納得した上で結論を出してほしいと思います。

微弱ながらこれからもこのブログを応援?させていただきますのでがんばってください!失礼致しました。

投稿: 広島っ子さん | 2009.02.19 02:39

> 広島っ子さん
こんな風になったからには、オープンな議論をせざるを得ないんでしょうね。でも、「折り鶴に象徴されるような理想・理念」 に対して、「実益が得られる賑わい & 個人の欲望」 とも捉えられそうな提案を掲げて議論したとして、すんなり話が噛み合うのかな?? というのが気になるところではあります。結局、落とし所は折衷案・・ 要するに商工会議所の提案を取り込んだ広島市の計画に近いものに落ち着いてしまうのではないかと・・。

今さら言っても仕方がないとは思いますが、何故もっと早い時期に地元協議会の立ち上げとか、サッカースタジアムとかの提案がなされなかったのでしょうか!?? タイミングとしては、昨年8月に商工会議所からの提案があった時、或いは昨年9月に 「広島市から現球場跡地利用の基本方針 (たたき台)」 が公表、市民の意見募集がなされた時だったのではないかと思いますけど・・。この辺り、もしかしたら当時のマスコミの取り上げ方などが上手くなくて、広島市民に対する周知が十分でなかったということもあるのでしょうか!? 跡地利用問題の議論を煽るかのような中国新聞の断片的な記事など見ていると、ふとそんな風に感じてしまうんですよね・・。

また、ついつい長いコメントになってしまいました(^^;)。
ありがとうございます。また今後とも宜しくお願い致します。

投稿: T.Kaze | 2009.02.20 00:35

どうも、『野球に興味のない私が(現)広島市民球場に入ったのは2回目でした』私を呼ばれたみたいなので遅くなりましたが少し書きます。

・(現)広島市民球場
この前、普段は自転車では基町堤防を通ることが多いのですが、あえて(現)広島市民球場の方から広島グリーンアリーナの方に通り抜けてみました。
外野席の下側って結構、素人目に見てボロボロな感じで残すとしたら、現時点の計画でいずれ取り壊すとされている一塁内野席もたちまち残すために耐震補強で費用がかかる構想からすれば、全部残すとなれば相当費用がかかりそうに思えました。歴史・文化として(現)広島市民球場の功績・価値があるとは思いますが、全部残すことは難しいかな?と私は思いました。
・旧広島大学理学部1号館
残すとしたらこちらの方が優先だと思うのです。しかし、先日見に行ったのですが、建物に人の手が入らなくなって劣化がすごいことになっていると思われ、全面活用を断念するのも、やむを得ないのか…。
・東千田公園付近
広島アジア大会バブル以後、お金がない広島市としては公共事業として跡地の開発をせず民間に任せることにして、結局の所「アーバンコーポレイション」「章栄不動産」両社の経営破綻で振り出しに戻ってしまったわけですが、この事で広島市を責めるわけにもいかないと思います。
これからどうするか?には私にもプランはありません。ただ、現状のあの人気のない空間の状況が良いとは思いませんし、(現)広島市民球場を取り壊したとしたら、あんな空間になってしまうのでは?という危惧は分かります。
・地下通路シャレオ
18~30歳代の若い女性にターゲットを絞ったバブリーなプランニングで作られてしまった地下街なので、その客層とは違う私(中年男)はお呼びじゃないから、何か物を買ったりした記憶がないし、地下通路としか捉えていません。道路としての制約がある中で中央広場のイベントには何回かは見に行ったことはあります。地上の横断歩道が廃止されてしまったので、自転車では通れなくなりましたが迂回すればいいし自動車の渋滞が軽減されたので認めてはいます。
・年間150万人の集客施設
確か広島市の側から言われた数字ですけど、もうこの数字にこだわっている状況じゃないと思います。行政の出す需要見込みがほとんど当てにならないことは、広島アジア大会バブル期に作られたシャレオ・広島高速鉄道(アストラムライン)の赤字で証明されてしまっています。
もし、この数字にこだわって大規模公共事業で何か大規模な箱物を作ったとして、広島市が破綻してしまっては“意味がない”と私は思うのです。
・「折り鶴」
2003年(平成15年)2月2日に執行された広島市長選挙で「折り鶴」の取扱を争点として掲げて立候補された候補者がいました。その候補者の関係するNPOのWEBを覗いたのですが更新されておらず活動しているのか私には確かめようもない状態でしたが、当選した秋葉市長の方では、まだ覚えているのか、と感心しています。
・中国新聞
秋葉市長に批判的なスタンスなのは“過去、中国新聞の関係者が支援した候補を破って当選しているから”と私は歪んだ見方をしていますが、当事者じゃないので分かりませんけどね。
・広島商工会議所
建物の老朽化が進んでいる中で換地の提案は“渡りに船”で乗っかったのでしょうけど、自らが動くという姿勢を示しています。
・「広島市から現球場跡地利用の基本方針 (たたき台)」
についての意見の集約を斜め読みしたら、サッカースタジアムとかの意見は記述してありましたから、この時にも要望は出されたのでしょう。まわりの商店街なども意見はあったのかもしれませんが陳情とかじゃなくて、実現可能性があって過去の提案も今の広島市の計画を上回り私なんかも賛成できる魅力的な提案を出さない限り、言いっぱなしの私とか広島市議会の皆さんと同じになって、ガスを抜いただけで広島市の計画でズルズルと進行すると思います。
歴史的建造物として(現)広島市民球場を残したいのでしたら、それこそ、全国的なぐらいのスケールぐらいの気構えで運動を起こさないと、無理じゃないかな?
・広島県
それにしても、(現)広島市民球場は関心を持ってもらってるけど、ここしばらく“旧陸軍被服支廠”を管轄する広島県の方は音沙汰を聞かないような。

散文でした。

投稿: shirusu | 2009.02.23 22:31

> shirusuさん
現広島市民球場を通り抜けて見られたとのこと、さすがですね!! 何かと声の大きい人の意見に追随してしまったり、地方の新聞記事を丸々鵜呑みにして流されてしまいがちなのですが、shirusuさんのように自分で見て聞いて調べて考えるというのは大切なんだろうな・・ と、つくづく思います。

結局、跡地利用においてネックになっているのは広島市の財政事情ですかね!? かつてのアジア大会の巨額投資がツケになってボディブローのように効いていて、現在でも新規の公共事業がなかなか組み難いといったような記述をどこかで見た覚えがあります。ヤード跡地の新球場やその周辺整備にまとまった投資がなされている現在、現市民球場跡地に大きな投資をするというのは非常に厳しいことだと想像します。

2003年の広島市長選の際、秋葉市長の公約に 『折鶴の「永久保存」による世界的な「平和の循環」を創出』 という記述があることだけは、以前からネットで確認していました。やはり、広島市の跡地利用計画に盛り込まれた 「折り鶴ホール」 との関わりはあるのでしょうかね!?
そうそう余談ですが、その時の公約の中には 『サンフレッチェと市民が創るサッカー専用スタジアムの建設支援』 という記述もありますね・・
http://www.jcp-hiro-shigi.jp/news-2003/0207shicho-kouyaku.pdf
サッカースタジアムの案については、2005~2006年の民間からの提案として複数挙がっていたのを見ました。それらの提案が採用されなかった経緯までは確認していませんが、やはりコストの問題もあったのではないかと想像します。現在の、市民球場を一部活用してのサッカースタジアム提案、そして署名をつのったりという動きは、比較的最近 (昨年末~今年初め??) だと思いますけど・・ この動きが遅すぎたのではないかと思っています。ま、サッカー専用ではなく、アクセスが悪いとはいえ、広島ビッグアーチがあるのだから、新たなスタジアムに投資するというのはどうかな・・というところですかね。

球場跡地利用に関して・・
現広島市民球場を保存するか否か、保存するなら全部か一部分か、そして保存した球場をどう活用するか、年間150万人集客できる施設とは、原爆ドームを見通す景観軸に配慮するか否か、折り鶴〇〇の是非・・・ 余りにも論点が色々ありすぎですね。その関係で、広島市の計画に反対するグループの意見を見ていても、それぞれの提案がバラバラで連携することもできずに歯痒い思いを抱いていらっしゃるのではないかという風に感じています。
こうなってくると、結局のところ、それなりに投資を抑えた折衷案・・ 要するに広島市の計画に近いところに落ち着いてしまうのかなと・・・。

投稿: T.Kaze | 2009.02.24 23:41

はじめまして。
しゅうぶん(コイケ)と申します。

雑記帳さんのおっしゃっているオープンなイベントホールは、私も賛同します。

そこに、屋根がついていて、フロアーコンセントや照明があれば、映像を映したり。小さなスポーツや文化的なイベントなどもでき。パソコンを使ったことや、神楽や琴や和太鼓などの楽器も使ったコンサートが雨の心配をせずにできます。
それは、中央公園とは異なった平和と結びついた、新しい可能性が導けると感じています。
私どものホームページにそういった案を提案しておりますので、のぞいてみてやってください。
 
ホームページ:http://nori3200.web.fc2.com
ブログ:http://ameblo.jp/syubun

投稿: しゅうぶん | 2009.03.11 22:33

> しゅうぶんさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
ご紹介いただいたサイト・・ ブログの方は初めてですが、ホームページの方は既に何度か拝見していました。広島市民球場の一部を復興遺跡として残す案、各種イベント等を開催できるオープンなスペース等々、私が勝手に抱いているイメージに近いこともあり、共感する点が多々あります。
球場跡地利用に関しては、直接利害関係が絡みそうな人達を除くと、全体的に無関心な人が多いように感じています。(ブログに球場跡地の話題を書いて、その反応など見ていますと、何となくそんな風に感じられます。)
そんな中、何よりも3年も前から、コンセプトを明確にして、かなり具体的な球場跡地利用案を提示されているところには頭が下がる思いです。

投稿: T.Kaze | 2009.03.13 00:06

>T.Kazeさん
>ただ、そんな私利私欲を通したいがために、思いが込められた 「折り鶴」 を根拠もなく頭ごなしに否定し、計画を策定した広島市をバッシングするような風潮があったとしたなら、非常に虚しいことではないかと思っています。

まったくそう思います。そのためには、根本的に、明快な理念と跡地の役割を明確にして、そこから折りヅル施設の扱いをどうするかを決めるべきです。
跡地を祈りの空間とするならば、折りヅル施設をメインにしてもいいし、復興やその他のコンセプトならサブ的な位置づけにするなど。ただ、個人的な理由、断片的な理由で「折りヅル施設」について考えるべきではないと思っています。

それ以前に、このブログで、皆さんのこんなに豊かな議論がされていること自体に、敬服いたします。

確かに重要な場所なので、もっと多くの人が関心を持つべきだと思います。子供たちの世代のためにも。

投稿: しゅうぶん | 2009.03.14 00:06

> しゅうぶんさん
どうもありがとうございますm(_ _)m。
コメントから引用されている箇所は、実は最も書きたかった事の一つでして、その為に球場跡地利用に関する記事を書いたというところもあります。
『明快な理念と跡地の役割』・・ ここを考えるのが出発点だと思うのですが、なかなか単純ではなさそうですね。人ぞれぞれ、色々な考え方があると思いますし・・。広島市が発表した計画においても、その出発点が曖昧だったが故に、非難を浴びているという面も少なからずあるのかなぁ と思ってしまいます。

投稿: T.Kaze | 2009.03.14 01:07

広島市民球場跡地について

平和を「祈念」する場は、今ある平和公園でその役割を果たせていると思います。
市民球場跡地は、世界平和を「創造」していく場になってほしいと思います。
賑わい創出の場とか言われていますが、単に商業的な観点から話を進めてほしくはないです。
私の意見は、やはり「世界平和創造」という理念を基盤としたものであってほしい。
つい最近、オバマが核廃絶を唱えました。千載一遇のチャンスです。
私は、国際連合の「核廃絶・世界平和創造分室」(仮名)を創設・招致するのがヒロシマとして最善策だと思います。
世界中から人々に集っていただき「世界平和創造」を具現化してゆく場を作ってもらいたい。
そうした理念・基盤の上に、賑わい創出の場とか話をするべきだと思います。
世界中の文化紹介、文化交流、新たな文化の創出の場。
そこに、真に新たな商業も創出するのではないか、そんな夢を見ます。
これ以上無い、貴重な場所ですよね。

投稿: オアシス | 2009.05.02 23:49

> オアシスさん
コメントありがとうございます。

> 単に商業的な観点から話を進めてほしくはないです。
これについては同感です。
とりわけ 「近隣商店街などが求める賑わいの場」 と オアシスさんの言われる 「世界平和創造を具現化してゆく場」 とでは、余りにも問題の捉え方の隔たりが大きくて、同列で議論するのは違和感があります。
跡地利用について、その理念が今一つ不明瞭で、コンセンサスも得られていないということが一番の問題なのかもしれません!?? その辺を明確にしていれば、現在のような状況にはなっていなかったかもしれませんね。

国連の関連分室を招致するというのは興味はありますが、よく分からないというのが正直なところです。世界中でそういった意向に同意してくれる人々がどれくらいいるのか・・!?
球場跡地の大部分は国有地であり、日本は唯一の被爆国であり、更に世界の中でのヒロシマの意味と役割を考えた時、ちまちまとした広島市内での跡地利用の議論だけでなく、もっと広島県外や国外の方々の積極的な意見なども聞いてみたい気がします。

投稿: T.Kaze | 2009.05.03 03:37

2009年以降の書き込みが見受けられないことを気にしつつ、旧市民球場跡地について少しだけ意見を述べたいです。オアシスさんが言われるように、世界平和追求のメッセージを発信可能な、世界でも貴重な立地条件に対して、これほどの規模で町並みを再編できるチャンスは、稀であると思います。その世界レベルでのチャンスに対して、広島の市民が「世界市民」として世界平和を祈念するリーダー的役割を果たす最善の好機と捉えるのであれば、平和祈念公園の景観軸において「原爆ドーム」の背景に置かれるものは、「恒久平和」のシンボルとして時を超えて存在すべきと誰もが認めうるものでなければならないでしょう。
 結論をいえばそれは、「世界平和奨励館」として、基本図面に基づく「産業奨励館」が、世界市民の手により「新たに」建築されるということではないでしょうか。世界中の人が平和祈念の意志に基づき、煉瓦ひとつずつを寄進できる事業企画により、「建築」というイベントが、世界へ平和を発信するという、「市民の歴史的行動」を通じた未来への遺物の構築を行うことこそが、最も重要なファクターだと信じて止みません。

投稿: 五穀屋 秀星 | 2010.10.15 17:33

> 五穀屋 秀星さん
> 2009年以降の書き込みが見受けられないことを気にしつつ、・・
1年以上も前の古い記事ですので、すっかりアクセスも少なくなっています。それから、広場を中心としたスペースとして整備される方向で話が進んでいることもあって、既に関心も薄れてしまっているのかもしれません??

> 広島の市民が「世界市民」として世界平和を祈念するリーダー的役割を果たす最善の好機
ここはどうなんでしょうか?? (自分自身も含めて)一般の多くの広島市民は、そこまで意識していないのではないかと、ふと思うのことがあります。というか、五穀屋さんのような視点の方と、「世界平和」以前に日々の暮らしの方によっぽど関心があると思われる広島市民の間には大きなギャップがあるような気がします。
そういったギャップを多少なりとも埋めるような場ができれば良いと思うのですが・・ そうすれば、市民球場跡地利用に関する議論も大いに盛り上がり、有益だと思うのです。

投稿: T.Kaze | 2010.10.17 10:49

 >「世界平和」以前に日々の暮らしの方によっぽど関心がある・・・。
 T.kazeさんのおっしゃる通りの市民意識の摩耗が現実的に起こっていると私も痛感します。しかし、だからこそ、「世界市民」という視点を示し、広島市民の視野を改めて拡張したいと感じるのです。特に未来の子供たちが、恒久平和への願いを当たり前の価値観として保持できるための大切な第1歩をあきらめたくないのです。
 「破壊」の傷跡を象徴とする「負」の遺産に対し、「再生」と「協同」による「人工物」を人間社会の成熟の象徴として昇華していく行為そのものを「正」・「生」の遺産として引継ぎたいのです。
 時間プロセスは長くても、世界中の人々が参加可能な建設手段を企画(煉瓦買い取り方式による寄付参加による建築費確保等)し、困難な状況を敢えて乗り越えていくことにより、「平和祈念堂」的な意義を持ち「産業奨励館」が再建された時、新たな象徴は世界の財産となります。宗教をも乗り越えて、世界各地に「平和祈念堂」を建築することさえ可能となるでしょう。決して誇大妄想と受けとめないでいただきたいのです。そして、日々の暮らしの中にこそ争いの種があり、「平和」といえる時代にこそ、その芽を駆逐する具体的な行為が必要であることを思い出してほしいのです。
 都市の再生により悲惨な戦争被害の「傷跡」も数十年の単位で忘れ去られ、人々は日々の暮らしを優先せざるを得ないという「現実」主義が再生産されていく・・・。
 我々はそんな理屈を子どもたちに伝えていくために、生まれてきたのでしょうか?

投稿: 五穀屋 秀星 | 2010.11.04 16:35

> 五穀屋 秀星さん
世界中の多くの人々が参加可能な建設手段というのは非常に魅力があると思います!
ただ、それが「産業奨励館」の再建というのは、どうもピンとこないのです。かつての産業奨励館は原爆投下によって原爆ドームとなりました。その横に破壊される前の建造物を再建してしまうと、原爆ドームの存在感が薄れてしまうような気がしてしまいます。あくまで個人的な考えではありますが・・。

投稿: T.Kaze | 2010.11.07 13:51

 何故「産業奨励館」なのか。このことについては段階的な価値の創出を企図しています。確かに原爆ドームとの対比の構成が、ご指摘のように「取り返しのつかない悲劇の象徴に対する価値の相殺」あるいは被爆者の心情への影響如何というようなデリケートな要素を含むことは理解しております。しかし、対比により悲劇性の客観的深刻さを強調できる可能性もあると思いますし、何より人類史において消し去ることのできない戦争の傷跡という負の遺産とともに、二度と戦争を起こさないという未来への決意によって、再び戦争行為によって破壊されることが絶対的に許されない建築物の象徴としての「平和の遺産」が生まれることに意義があると思うのです。
 負の遺産を世界に広めることはできなくても「正」の遺産を「平和の遺産」として世界へ広める活動は創造性を持って広く世界的に展開できる人類の活動へと昇華可能なものなのです。その第一号として広島の地に世界中の人々の参画によるシンボルの建設が行われ、国際平和活動に活用される実用性を担保できるなら、オアシスさんが言われるような国連の事業とのリンクも可能でしょう。
 世界中の人々が建築材としての煉瓦を買い取る(資金の拠出が不戦の誓いになるという事業への参画システムを企画する)という基本コンセプトにより資金を調達し、広島以外へも第2、第3の「平和の遺産(平和奨励館:仮)」を建立するという発展事業へ繋げていくという取り組みの起点を創出し世界をネットワーキングしたいという思いなのです。
 「ヒロシマ」は世界人類のテーマであり、核兵器廃絶という第一義的な目標をはるか未来に超えて、戦争の根絶という人類の恒久的平和を願う歴史の実質的転換点として、絶好の好機であると理解した時、「市民球場」が果たした広島市民にとっての「戦後」の遺産価値を超えた人類の遺産創造による「賑わい」が発現するでしょう。
 

投稿: 五穀屋 秀星 | 2010.11.10 17:22

> 五穀屋 秀星さん
何となく分からないでもないのですが、なかなか難しそうですね・・。
世界中の人々が参加可能な建設手段としての煉瓦買い取り方式・・ それを考えていて、現在世界中から広島へ送られてくる折り鶴のことが頭に浮かびました。煉瓦と折り鶴は共通点があるような・・。折り鶴を贈る行為は、平和を願う子供から大人まで簡単に参加できるし、単純明快で非常に分かり易い。もっとも、折り鶴は建築手段とはなりませんけど・・。
それくらいの分かり易さ・・ というか、「産業奨励館」を復元することの意味・意義が分かり易く説明できれば、それを受け入れて賛同者も増えていくような気がします。

投稿: T.Kaze | 2010.11.12 00:08

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