原爆ドーム前電停内 軌道敷緑化
写真は 4月18日時点における広電・路面電車/原爆ドーム前電停内 軌道敷の様子です。広島市内中心部の桜はすっかり散ってしまい、既に新緑の葉桜へと移行しつつあるこの頃ではありますが、それに歩調を合わせたかのように原爆ドーム前電停の軌道敷に植えられた芝生もにわかに緑色に色づき生育が進んでいるように見えます。
魅力的な都市景観を形成していく一つの試みとして、特に丸一年後に開催が予定されている 第26回全国菓子大博覧会・広島 【ひろしま菓子博2013】 を一層盛り上げようという効果を狙って、その会場となる旧広島市民球場跡地前の路面電車・軌道敷 110メートル区間の緑化整備が計画されています。まずは、ここ原爆ドーム前電停内の40メートル区間において、軌道敷緑化工事が先行して施行されていた訳ですが、ここにきて 3月に植え付けられていた芝生が緑色に色づいてきました。この調子でいけば、5月頃にはしっかりとした芝生軌道に仕上がるのではないかと期待されます。
以下、ここに至るまでの様子をご紹介・・
まずは今年 2月時点の軌道敷緑化工事の様子から。今年2月26日、原爆ドーム前電停内では軌道敷のコンクリートを剥がして掘り返され、地中に設置されていた枕木が見える状態になっていました。この掘り返した部分に、適度な保水状態を保つようにする目的で透水シートを敷き、その上に緑化基盤を設けて芝が植え付けられたものと思われます。ちなみに、芝は冬の時期(1、2月) が最も根付きが良いということで、この時期に工期を合わせたようです。
一気に飛んで今月、4月8日時点・・ 写真では分かり難いと思いますが、この時点で緑色の芝が伸び始めていました。
芝の種類としては、以前から元宇品付近で整備されている芝生軌道と同様、野芝(のしば)が選定されているということですが、その辺りの理由は以下の通りだそうです。
本市では,軌道敷の緑化に適した芝の種類などを選定することを目的に,平成21年10月から平成22年10月までの1年間,芝の専門家や広島電鉄などの協力を得ながら,広島市植物公園内において実証実験をいたしました。その結果,広島市の気候風土に適しており,芝の伸びが少なく,維持管理が容易な野芝を選定したものです。【広島市議会/平成23年第4回 9月定例会 会議録より】
そして 4月13日時点の様子・・

以下余談となりますが・・
広島市内中心市街地において、路面電車の軌道敷はパトカー・救急車などの緊急車両の通り道になる場合があります。そのため、なかなか芝生軌道の実現は難しいのではないかと想像していた訳ですが、今回の軌道敷緑化整備に関する広島市議会の会議録を見ていると、そういった緊急車両の進入に関して一応考慮されていることが分かりました。
自動車の進入等における課題への対応ですが,旧市民球場跡地前は自動車の軌道横断が比較的少ない箇所であり,仮に緊急車両等が軌道敷内に進入した場合でも,車両の重みに耐え得る緑化ブロックを基盤として採用することなどから,芝の大きな損傷は防げるものと考えております。【広島市議会/平成23年第4回 9月定例会 会議録より】
芝生軌道の維持管理に要する経費やその方法など気になる点は色々ありますが・・ 景観の向上に加えて路面温度抑制(ヒートアイランド現象の緩和) や沿線の騒音低減(電車走行時の軌道面からの反射音が小さくなることで、沿線騒音が低減) などの効果もあるとされていますので、特に中心市街地での軌道敷緑化が拡大・継続されることを期待しています。
** 広電の芝生軌道に関連した記事・・
> 宇品の芝生軌道 -2005.04.29
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コメント
T.Kaze さん、こんばんは。
中国新聞では2012年3月23日に終了したと報道されていて、工事が終わってからの原爆ドーム前電停の画像を4月4日と4月14日に撮影していたのですが、ここで披露されている T.Kaze さんの画像のようにきれいには撮れませんでした。
陽当たりの良いところの成長が早くてうっすら緑色で、雨よけの陰になっている部分の方が土の色となっていました。
投稿: shirusu | 2012.04.22 22:52
> shirusuさん
こんばんは。
最近、原爆ドーム前電停の横を通る度、気になって芝の生育具合など眺めています。青々とした芝に成長するのが楽しみです。
この記事に掲載した4枚目の写真を見ていただくと分かるのですが、電停上屋の位置関係で日中は南側の軌道(西広島方面行き)が日陰になるんですよね・・。芝の生育に差が出るのではないかと、私も少し気になっているところです。
投稿: T.Kaze | 2012.04.23 01:25