
年明け早々、県北(現、庄原市)へ帰省した際、JR芸備線・備後落合(びんごおちあい)駅に立ち寄ってきましたので、その時の様子をご紹介です。掲載した写真は全て今年1月2日に撮影したものです。
年末から正月にかけて降り積もった雪に埋もれた備後落合駅・・ 広島駅から JR芸備線で行くと 33番目の駅となります。かつて米子~広島間で急行「ちどり」などが運行されていた時代は、JR芸備線と木次線の接続駅として重要な駅となっていたようです。県北出身の私が記憶している限りでは、それこそ盆・正月の帰省時期やスキーのシーズンともなると、それなりに人の行き来で賑わっていたように思いますが、現在は人の気配がなく山間のひっそりとした無人駅となっています。
昨年末、広島市内でもうっすらと雪化粧するくらいだったので、備後落合ではさぞかし深い積雪なんだろうと予想していたのですが、その後比較的天気が良かったためか、それほど大した雪ではありませんでした。午後2時過ぎ、駅に着いてホームに出てみると、ちょうど木次線・出雲横田行きキハ120形気動車が発車する直前でした。ご覧の通り、列車が着いたホーム上は綺麗に雪かきがされていました。

こちらは発車待ちの芸備線・三次行きキハ120形気動車・・ 広角レンズで積雪を強調してみました。車内では10人に満たない乗客が発車を待っていらっしゃったように見えました。何故か備後落合で乗り降りする人は、皆さん鉄道ファン・マニアに見えてしまいます(笑)。

かつて備後落合のホームには売店がありまして、そこで 「おでん入りのうどん」 が販売されていました。下の写真で言うと、停車中のキハ120のすぐ横あたりに売店があったように記憶しています。そのすぐ奥には水道が使える流しもありましたが、現在は売店ともども跡形も無くなってしまいました。更にその奥の方、少し離れて、現在も存在する小さな待合室が当時からありました。
当時、列車交換や木次線との接続の関係だろうと思いますが、備後落合を経由する列車は数分~15分程度停車することがままあったように思います。そんな時、駅ホームに降り、「うどん」を買い求めて小腹を満たすのですが、売店には おでん鍋で煮えて味がしみ込んだ「おでん」が販売されていて、お好みの「おでん」の具を併せて頼むと「うどん」の上に乗せてくれたという訳です。詳しいところは分かりませんけど、列車の中に持ち込んでの食べ易さを考慮して、わざわざ「おでん」を別容器とせずに、「うどん」の上に乗せたというのが始まりではないかと思うのですが・・。

※余談ではありますが・・ ネットで探してみますと、備後落合名物の 「おでんうどん」 という表現が見つかりますが、あたかも固有名詞であるかのように使用されているのは違和感があります。別の例で言うと、広島のお好み焼きのことを「広島焼き」と呼ばれると違和感を持つのと似たような感覚です。なので、私は敢えて 「おでん入りのうどん」、若しくは 「おでんを載せたうどん」 という表現にこだわりたいと思います。(でも、もしかしたら私が記憶していないだけで、当時から「おでんうどん」と呼ばれていたのかもしれません??)
さて、話は変わりますが・・ 昨年12月中旬に芸備線・備後西城~備後落合間開通75周年を記念したイベントが備後落合駅を会場として催されたのですが、その時の写真展がそのまま継続して、写真が残されていたので拝見してきました。駅舎の待合室では、壁一面に懐かしい古い写真が貼り付けられていました。


出入口のすぐ上に目をやると、40人以上の人物が写った記念写真が掛けられていました。そのモノクロ写真には、「備後落合駅 営業成績優良表彰・営業成績優良褒賞記念 昭和45年12月15日」 の文字が入っているのですが、おそらく当時、この備後落合駅にこれだけの人数の職員さんが勤務されていたんだろうと思われます。閑散として人の気配が感じられない無人駅となってしまった現在の備後落合駅の状況を目にすると、到底当時の繁栄の様子は想像できそうもないですね・・。

** 記事タイトルの『芸備線への誘い』というのは、本ブログ雑記帳で 2005年からスタートしたJR芸備線の沿線風景写真掲載記事のシリーズ名です。古い記事では、小さく見栄えのしない写真しか掲載していませんが、興味のある方は下記インデックスページからどうぞ・・
> Photo Index JR芸備線
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