アイソン彗星 C/2012 S1(ISON)
「世紀の大彗星になるかも!?」 と噂されていたアイソン彗星 C/2012 S1(ISON)の写真撮影にトライしてみました。
ちょうど、広島県北の実家へ仕事の手伝いのために帰省していたもので、さすがに山奥の田舎なので良い条件で撮れるだろうと・・ 急に思い立ったが吉日、下調べもしておらず、ほとんど予備知識も無かったのですが、取り敢えず時刻は早朝 5:30~6:00くらいに日の出前の東南東の方角に見えるらしいということが分かりました。
いきなりぶっつけ本番というのも不安なので、前日 11月22日夜に冬の星座 オリオン座で軽く練習。絞り開放/シャッタースピード 10秒で撮ってみたところ、まぁそれなりに撮れたのに気を良くしました。ちなみに、広島市内の自宅では空が明るくて、ここまで星が見えません。
翌日 11月23日の早朝、5時過ぎに起きて東の空へ目をやると、雲もなく良さそうな感じ。ただ、どの辺りにアイソン彗星が現れるのか分からなかったもので、不安を抱えつつカメラをセッティング。方角を迷っていたところ、一際明るい水星(Mercury)が登ってきたので、それを目印にしてアイソン彗星を探索したものの、私の視力では目視確認することはできませんでした。仕方なく、ほとんど期待もせずに前日練習した 10秒のシャッターを切り続けました。
後で、撮った写真をカメラの液晶モニタでチェックしてみたところ、かろうじてアイソン彗星らしき光を捉えているのを確認することが出来ました。この日のアイソン彗星は水星とほぼ同じ高度で、太陽と反対方向である右上に尾が伸びている様子がかろうじて写っていたので大喜びです。(出来ましたら、部屋の照明を落として見ていただけますと幸いです)

微かながらも彗星が写っていたのに気分を良くして、翌日 11月24日の早朝にも再トライすることにしました。がしかし、薄い霧が発生していて星が霞んで良く見えない。オマケに肝心の東の空には薄雲がかかり、とても彗星が見えるような条件ではなさそう。それでも、シャッターを切り続けましたが・・ やはり彗星の光を捉えることはできませんでした(^^;)。水星が確認できたのは、かなり高度が高くなってから。晴れていれば、水星(Mercury)の右斜め下、雲間から見え隠れしていた土星(Saturn)とほぼ同じ高度にアイソン彗星が見えるはずだったのですが・・ ご覧の通り、残念な結果となりました。

二日目は雲に阻まれてアイソン彗星を撮ることはできませんでしたが、何となく手応えを感じることができました。これは是非とも近日点を過ぎて太陽から遠ざかっていく 12月初旬にも撮影に再トライしてみたいと思っていたところ、11月29日になって悲しいお知らせが・・ 国立天文台/アイソン彗星の特集ページ に記載されていた内容から・・
太陽・太陽圏観測衛星SOHOなどの太陽観測衛星の画像によると、アイソン彗星は、近日点通過前の日本時間午前2時過ぎから暗くなり始めました。近日点通過後は、核と思われるような構造がほとんどなくなり、軌道上に広がった細長い構造が淡く輝くのみとなりました。これは核が崩壊した後の破片群、あるいは大きめの塵(ちり)の集団と考えられます。
このことから、今後、アイソン彗星が明るい彗星として見える可能性は低くなったと考えられます。
(2013年11月29日)
何ということでしょう!! こんなこともあるんですね。。太陽に近過ぎて、分裂したり崩壊する可能性もあることは、前々から指摘されていたようですけど、まさかそれが現実になるとは・・。どなたかもネットでつぶやいていらっしゃいましたけど、心にポッカリ穴が空いたような感覚で何とも残念な結末となりました(T_T)。
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